あなたは「公務員の病気休暇を取りたいけど、デメリットが心配」と悩んでいませんか?結論、病気休暇には人事評価への影響などのデメリットがありますが、適切に活用すれば心身の回復に専念できる制度です。この記事を読むことで病気休暇の正しい知識と取得時の注意点がわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
1.公務員の病気休暇制度の基本

公務員の病気休暇とは何か
公務員の病気休暇とは、負傷や疾病のために療養が必要な場合に取得できる特別な休暇制度です。
年次有給休暇とは別に設けられており、心身の健康を回復させることを目的としています。
国家公務員の場合は人事院規則で定められた法定休暇となっており、地方公務員の場合も条例で同様の制度が整備されています。
一般企業では病気休暇の導入が義務ではないため、民間企業の約2割しか導入していません。
それに対して公務員は全員が病気休暇制度を利用できる恵まれた環境にあると言えるでしょう。
病気やケガで仕事を休む必要がある時、この制度を使うことで療養に専念できる体制が整っているのです。
病気休暇の取得条件と期間
病気休暇を取得できる条件は「負傷または疾病のため療養が必要で、勤務しないことがやむを得ないと認められる場合」です。
取得できる期間は最大で連続90日間となっており、この間は給料が全額支給されます。
病名や診療科目に制限はなく、内科・外科・整形外科・婦人科・精神科など、どの診療科の病気でも取得可能です。
時間単位での取得も可能なため、通院のために数時間だけ休むという使い方もできます。
ただし連続8日以上または過去1か月間に5日以上の病気休暇を取る場合は、医師の診断書の提出が必要になります。
短期間の病気休暇であれば診断書なしで取得できることも覚えておきましょう。
病気休暇と休職制度の違い
病気休暇と休職制度には明確な違いがあります。
病気休暇は職員本人が申請する権利であるのに対し、休職は職場からの職務命令として勤務を免除される制度です。
病気休暇は最大90日間で給料が全額支給されますが、休職は最長3年間で給料は1年目が80%、2年目以降は無給となります。
病気休暇を90日間使い切っても同じ理由で勤務できない場合は、病気休暇から休職へと切り替わります。
休職の場合は診断書の提出が必須で、手続きも病気休暇より複雑になることが多いです。
まずは病気休暇を取得し、それでも回復しない場合に休職を検討するという流れになります。
民間企業の病気休暇との比較
民間企業と公務員の病気休暇制度には大きな違いがあります。
民間企業では病気休暇を導入している企業は全体の約22%にとどまり、導入していても給料が支給されるとは限りません。
公務員の病気休暇は90日間給料が全額支給されるのに対し、民間企業ではノーワーク・ノーペイの原則で無給のケースも多いです。
従業員1,000人以上の大企業で約38%、30~99人の中小企業では約18%しか病気休暇制度がありません。
公務員は法律で病気休暇が保障されているため、どの職場でも同じ条件で取得できます。
この点において公務員の病気休暇制度は、民間企業と比べて非常に手厚い保障があると言えるでしょう。
2.公務員が病気休暇を取得する際のデメリット

人事評価への影響と評価が下がるケース
病気休暇を取得すると人事評価に影響が出る可能性があります。
数日から1か月程度の短期間であれば大きなマイナスにはなりにくいですが、長期化すると注意が必要です。
公務員の人事評価は「能力評価」と「業績評価」の2つで構成されており、6段階で評価されます。
病気休暇で長期間休むと業務実績が残せないため、業績評価が低下してしまうのです。
特に評価が下がりやすいのは、クーリング期間を挟んで病気休暇を繰り返し取得するケースです。
病気休暇90日→20日間出勤→再び病気休暇という取り方を繰り返すと、自分の担当業務をこなせないため評価に影響します。
精神的な病気の場合は「再発のおそれがある」とみなされることもあり、配属先の決定や昇進に制限がかかることがあります。
昇給・昇進への影響
病気休暇の取得は昇給や昇進にも影響を及ぼす可能性があります。
長期間の病気休暇を取ると勤務実績が不足するため、昇給の見送りや昇給時期が遅れることがあります。
管理職など責任のあるポジションには選ばれにくくなるという現実もあります。
組織としては安定して業務を遂行できる人材を管理職に登用したいため、病気休暇の取得歴が判断材料になることがあるのです。
ただし、すべてのケースで不利になるわけではなく、一度の病気休暇であれば真面目に働いてきた実績があれば理解してもらえることも多いです。
重要なのは病気休暇を適切に活用し、回復後は業務に全力で取り組む姿勢を見せることです。
ボーナス(勤勉手当)の減額リスク
病気休暇を取得するとボーナスに影響が出ることがあります。
公務員のボーナスは期末手当と勤勉手当の2種類があり、病気休暇を30日以上取得した場合は勤勉手当が減額されます。
半年間の勤務期間に応じて計算され、病気休暇の日数は「除算期間」として在職期間から差し引かれます。
例えば60日間の病気休暇を取得した場合、6か月の在職期間から2か月が除算され、勤務期間は4か月となります。
勤務期間が「4か月以上4か月15日未満」の場合、勤勉手当の期間率は70%となり、通常より30%減額されます。
期末手当については病気休暇の影響を受けにくいですが、勤勉手当は明確に減額されるため注意が必要です。
職場での噂や周囲の目
病気休暇を取得すると職場での噂や周囲の目が気になることがあります。
公務員の職場は噂好きの人が多いという声もあり、あることないこと言われる可能性があります。
特にメンタルヘルスの不調で休む場合は、目に見える症状ではないため理解が得られにくいこともあるでしょう。
復職したときに同僚からどう見られるか、仕事の引き継ぎで迷惑をかけたのではないかと不安になる人も少なくありません。
ただし真面目に働いてきた実績があれば、職場も事情を理解してくれることが多いです。
周囲の目を気にしすぎて必要な休養を取らないことの方が、長期的には自分にとってマイナスになります。
復帰後のフルタイム勤務への適応の難しさ
病気休暇から復帰した後の勤務は想像以上に大変です。
病気休暇が終わると怒濤の8時間労働×5連勤が始まりますが、いきなりフルタイムで働くのは体力的にも精神的にもキツいものです。
休暇中はゆっくり休養していたため、急に元の勤務ペースに戻すのは身体への負担が大きいです。
復帰後しばらくして慣れてしまえば良いのですが、慣れるまでの期間がしんどく感じられます。
自治体によっては段階的な職場復帰プログラムやテレワークを活用した復職支援を導入しているところもあります。
復職に向けた訓練を行う場合もあるため、人事担当者に相談してみることをおすすめします。
3.病気休暇のメリットと活用法

最大90日間の給料全額保障
病気休暇の最大のメリットは給料が全額保障されることです。
90日間休んでも休む前と同じ給料が振り込まれるため、経済的な不安なく療養に専念できます。
基本給だけでなく、扶養手当や地域手当、住宅手当などの諸手当も継続して支給されます。
ただし通勤手当など実態に応じた手当については原則支給されません。
民間企業では病気休暇中は無給というケースも多いため、公務員の病気休暇は非常に恵まれた制度と言えます。
収入の心配をせずに治療に集中できることは、心身の回復にとって大きなプラスになるでしょう。
診断書提出などの手続きの簡単さ
病気休暇の手続きは比較的シンプルです。
連続8日未満かつ過去1か月で5日未満の場合は診断書不要で取得できます。
短期間の病気休暇であれば、上司に連絡して病気休暇申請書を提出するだけで済みます。
長期の場合でも診断書を添付して申請書を提出すれば、基本的には承認されます。
診断書には病名、療養が必要な理由、療養期間を記載してもらいましょう。
休職と比べると手続きの複雑さが少なく、必要な書類も最小限で済むのが病気休暇の特徴です。
心身の回復に専念できる環境
病気休暇中は職務専念義務が免除されるため、治療に集中できます。
職場との連絡を最小限に抑えることができるため、仕事のことを考えずに休養できます。
無理して出勤を続けると症状が悪化し、結果的に長期の休職が必要になることもあります。
病気休暇を適切に取得して早期に回復することで、長期離脱を防ぐことができるのです。
身体的な病気だけでなく、メンタルヘルスの不調にも対応できる制度となっています。
心身の健康を取り戻すことが何より重要であり、そのための環境が整っているのが公務員の病気休暇制度です。
病気休暇を適切に活用するポイント
病気休暇を適切に活用するためのポイントがあります。
まず本当に療養が必要な時にだけ取得することが大切です。
制度を悪用すると職場の信頼を失い、懲戒処分の対象になることもあります。
療養に専念し、旅行やパチンコ、ゴルフなど遊興に使わないよう注意しましょう。
医師の指示に従って適切な治療を受け、定期的に診断書を更新することも重要です。
そして回復したら早めに復職し、業務に全力で取り組む姿勢を見せることで信頼回復につながります。
4.病気休暇の取得方法と注意点

病気休暇の申請手続きの流れ
病気休暇を申請する手続きの流れを説明します。
まず体調不良を感じたらすぐに直属の上司に相談することから始めます。
電話やメールで連絡し、病気休暇を取得したい旨を伝えましょう。
次に医療機関を受診し、必要であれば診断書を発行してもらいます。
病気休暇申請書に必要事項を記入し、診断書(必要な場合)を添付して提出します。
上司や人事担当者が内容を確認し、承認されれば病気休暇が認められます。
短期間の病気休暇であれば直属の上司の決裁で済みますが、長期になると人事部門との協議が必要になることもあります。
診断書が必要になるケース
診断書の提出が必要になるケースを把握しておきましょう。
連続して8日以上の病気休暇を取る場合は必ず診断書が必要です。
また過去1か月間に5日以上の病気休暇を取得している場合も診断書の提出が求められます。
例えばインフルエンザで5日間休む場合は8日未満なので診断書は不要です。
診断書には病名、療養が必要な理由、具体的な療養期間を記載してもらいましょう。
療養期間の記載を嫌がる医師もいますが、できる限り書いてもらった方が職場に示しやすくなります。
自治体によっては独自の診断書様式を指定している場合もあるため、人事担当者に事前確認することをおすすめします。
繰り返し取得する際の注意点とクーリング期間
病気休暇を繰り返し取得する場合は注意が必要です。
90日間の病気休暇を使い切った後、再度取得するにはクーリング期間を満たす必要があります。
クーリング期間とは、フルタイム勤務に完全に戻った状態で、平日に連続20日間勤務することです。
この20日間には土日などの休日や有給休暇は含まれず、実際に勤務した日数だけがカウントされます。
クーリング期間を経過すると病気休暇の日数がリセットされ、再び最大90日間取得できるようになります。
ただしクーリング期間の直後に再び病気休暇を取得すると、制度の不適切な利用とみなされ人事評価に悪影響が出ます。
本当に療養が必要な場合のみ取得し、制度を悪用しないよう心がけましょう。
病気休暇中にやってはいけないこと
病気休暇中の過ごし方には注意が必要です。
病気休暇中は療養に専念する義務があり、遊興や娯楽に使うことは認められていません。
パチンコ、ゴルフ、旅行などレジャーに行っている姿を見られると懲戒処分の対象になります。
実際に病気休暇中の不適切な行動で懲戒処分を受けたケースも報告されています。
外出する場合は通院や生活に必要な買い物など、療養に必要な範囲に留めるべきです。
SNSへの投稿にも注意が必要で、楽しそうな写真をアップすると周囲から誤解を招くことがあります。
療養専念義務を守り、医師の指示に従って適切に過ごすことが大切です。
病気休暇から休職への移行
病気休暇90日を使い切っても回復しない場合は休職に移行します。
病気休暇の期間が満了する前に休職の手続きを始める必要があります。
休職になると給料は1年目が80%に減額され、2年目以降は無給になりますが共済組合から傷病手当が支給されます。
休職は最長3年間取得でき、その間に回復すれば職場復帰が可能です。
休職の手続きは病気休暇より複雑で、自治体指定の病院での診断書が必要になることもあります。
人事担当者と早めに相談し、休職への移行手続きをスムーズに進めましょう。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 公務員の病気休暇は最大90日間給料全額保障される恵まれた制度である
- 人事評価への影響や昇給・昇進への制約などのデメリットも存在する
- ボーナスは30日以上の取得で勤勉手当が減額される可能性がある
- 職場での噂や周囲の目、復帰後の適応の難しさも課題となる
- 連続8日以上または過去1か月で5日以上取得する場合は診断書が必要
- 90日使い切った後の再取得にはクーリング期間(連続20日間勤務)が必要
- 病気休暇中は療養専念義務があり遊興や娯楽は禁止されている
- 適切に活用すれば心身の回復に専念でき長期離脱を防げる
- 制度を悪用すると懲戒処分の対象になるため注意が必要
- 90日を超えて療養が必要な場合は休職制度に移行する
病気休暇は決してデメリットだけの制度ではありません。
体調不良を感じたら無理せず早めに医療機関を受診し、必要な場合は勇気を出して病気休暇を申請しましょう。
適切に休養を取ることで、長期的にはあなたのキャリアにもプラスになります。
制度を正しく理解し活用することで、より健康的な職業生活を送ることができるのです。
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