あなたは「内々定を承諾してしまったけど、やっぱり辞退したい」と悩んだことはありませんか?結論、内々定承諾後でも辞退は可能です。この記事を読むことで内々定承諾後の辞退方法や正しいマナー、トラブル回避の方法がわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。

1.内々定承諾後の辞退は法律上可能なのか

1.内々定承諾後の辞退は法律上可能なのか

内々定と内定の違いを正しく理解する

内々定と内定は、法的拘束力の有無という点で大きく異なります。

内々定とは、企業が10月1日より前に「採用する予定です」という意思を示したものです。

多くの場合、口頭やメールで通知され、正式な書面を交わすことはありません。

一方、内定は10月1日以降に交わされる正式な労働契約です。

内定通知書と入社承諾書という書面を通じて、企業と学生の間で労働契約が成立します。

この違いを理解することが、辞退を検討する際の第一歩となります。

内々定の段階では労働契約が成立していないため、企業側も学生側も比較的自由に取り消しが可能です。

ただし、実質的に内定と同等の扱いをしている企業もあるため、注意が必要です。

内々定承諾後でも辞退できる法的根拠

内々定承諾後でも、法律上は辞退することができます。

内々定は労働契約が成立していない状態であるため、法的拘束力はほとんどありません。

そのため、学生側から一方的に辞退を申し出ることが可能です。

仮に内定承諾書を提出した後であっても、民法第627条により入社日の2週間前までであれば辞退できます。

法的には問題がないとはいえ、企業に迷惑をかけることは事実です。

企業はあなたの入社を前提に採用計画を立て、他の候補者を見送っている可能性があります。

辞退する場合は、できるだけ早く誠実に対応することが社会人としてのマナーです。

内々定承諾後の辞退に伴うリスクと注意点

内々定承諾後の辞退には、いくつかのリスクが伴います。

最も大きなリスクは、企業からの信頼を失うことです。

特に同じ業界内では、将来的に取引先として関わる可能性もあります。

不誠実な対応をすると、自分の評判に傷がつく恐れがあります。

また、大学のキャリアセンターや就職課との関係にも影響が出る可能性があります。

損害賠償を請求されるケースは極めて稀ですが、ゼロではありません。

入社直前に辞退した場合や、企業がすでに多額の費用をかけて準備を進めていた場合は要注意です。

こうしたリスクを最小限に抑えるためにも、早めの連絡と誠実な対応を心がけましょう。

2.内々定承諾後に辞退を検討すべき正当な理由

2.内々定承諾後に辞退を検討すべき正当な理由

他社からより良い条件の内定が出た場合

第一志望の企業から内定が出た場合は、正当な辞退理由になります。

就職活動は自分の人生を左右する重要な決断です。

本当に働きたいと思える企業があるなら、そちらを選ぶことは間違いではありません。

ただし、「条件が良いから」という理由だけで安易に決めるのは避けるべきです。

給与や福利厚生だけでなく、仕事内容や企業文化、キャリアパスなども総合的に判断しましょう。

辞退する際は、正直に「他社の内定を受けることにした」と伝えることが大切です。

具体的な企業名を伝える必要はありませんが、嘘をついたり曖昧にしたりするのは避けましょう。

企業研究不足で入社後のミスマッチに気づいた場合

内々定承諾後に企業について深く調べた結果、自分に合わないと気づくこともあります。

仕事内容や企業の方向性が自分のキャリアプランと合わない場合は、辞退を検討すべきです。

入社後にミスマッチが判明すると、早期離職につながる可能性が高くなります。

それは企業にとっても学生にとっても不幸な結果です。

労働環境や社風について、内々定承諾前には知り得なかった情報が出てくることもあります。

OB・OG訪問や口コミサイトなどで調べて、不安が確信に変わった場合は辞退を検討しましょう。

ただし、単なる不安や迷いだけで判断するのではなく、企業に直接質問して疑問を解消することも重要です。

家庭や健康上の事情で状況が変わった場合

家族の介護が必要になった場合や、健康上の問題が生じた場合は正当な辞退理由です。

親族が病気になり介護が必要になった、自分自身が体調を崩したなど、予測できない事態が起こることもあります。

このような場合は、企業側も理解を示してくれることが多いです。

また、単位を取得できず留年が確定した場合も、内々定が取り消しになる可能性があります。

卒業できない場合は速やかに企業に連絡し、状況を説明しましょう。

場合によっては、1年後の入社を待ってくれる企業もあります。

家庭や健康の事情は、自分ではコントロールできないものなので、正直に伝えることが大切です。

企業の経営状態や労働環境に不安を感じた場合

内々定承諾後に企業の経営悪化や労働環境の問題を知った場合も、辞退を検討すべきです。

ニュースなどで企業の大幅な業績悪化や不祥事が報道されることもあります。

また、SNSや口コミサイトで劣悪な労働環境の情報を目にすることもあるでしょう。

そのような情報が複数のソースから確認できる場合は、真剣に辞退を検討すべきです。

将来的に安心して働き続けられる環境かどうかは、非常に重要な判断基準です。

ただし、ネット上の情報だけで判断するのは危険です。

可能であれば企業に直接確認したり、OB・OGに話を聞いたりして、事実確認をしましょう。

3.内々定承諾後の辞退を企業に伝える正しい方法

3.内々定承諾後の辞退を企業に伝える正しい方法

辞退の連絡はできるだけ早く行うことが重要

辞退を決めたら、迷わずすぐに企業に連絡することが最も大切です。

連絡が遅れれば遅れるほど、企業に与える迷惑は大きくなります。

企業はあなたの入社を前提に、研修計画や配属先の調整、備品の準備などを進めています。

早く連絡すれば、企業は他の候補者にアプローチする時間を確保できます。

「気まずいから」「怒られそうだから」という理由で連絡を先延ばしにするのは厳禁です。

辞退の意思が固まった時点で、営業時間内にすぐ連絡しましょう。

遅くとも内定式より前、できれば内々定承諾から1週間以内に連絡するのが望ましいです。

電話で直接謝罪してから辞退を伝える手順

内々定承諾後の辞退は、必ず電話で直接伝えましょう。

メールだけで済ませるのは、誠意に欠ける対応とみなされます。

電話なら、声のトーンや話し方で誠実さを伝えることができます。

まず採用担当者につないでもらい、「今お時間よろしいでしょうか」と確認します。

時間が取れることを確認したら、内々定のお礼を述べてから辞退の意思を伝えます。

辞退理由を聞かれた場合は、正直に簡潔に答えましょう。

最後に改めて謝罪し、「貴重なお時間をいただきありがとうございました」と締めくくります。

電話が終わった後、メールでも辞退の旨と謝罪を送ると、より丁寧な印象を与えられます。

メールで辞退を伝える際の例文とマナー

電話で連絡したものの担当者が不在だった場合は、メールで伝えることも可能です。

メールで辞退を伝える際は、件名を明確にし、本文は簡潔にまとめましょう。

件名は「内々定辞退のご連絡(○○大学 氏名)」のように、一目で内容がわかるようにします。

本文では、内々定のお礼、辞退の意思、辞退理由、謝罪の言葉を順に記載します。

【メール例文】
件名:内々定辞退のご連絡(○○大学 山田太郎)

株式会社○○
人事部 ○○様

お世話になっております。
先日内々定をいただきました、○○大学○○学部の山田太郎と申します。

このたびは内々定をいただき、誠にありがとうございました。
大変申し訳ございませんが、検討の結果、内々定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。

他社から内定をいただき、自身のキャリアを慎重に考えた結果、このような決断に至りました。

選考過程では貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、このような結果となり、心よりお詫び申し上げます。

末筆ではございますが、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。

○○大学○○学部
山田太郎
電話番号:090-XXXX-XXXX
メール:XXXX@example.com

辞退理由を聞かれた時の誠実な答え方

辞退理由を聞かれた場合は、嘘をつかず正直に答えることが大切です。

「他社の内定を受けることにした」「進路を変更することにした」など、事実を伝えましょう。

企業名まで聞かれることもありますが、答える義務はありません。

「大変恐縮ですが、企業名は控えさせていただきます」と丁寧に断っても構いません。

曖昧な理由や嘘の理由を伝えると、後で矛盾が生じてトラブルになる可能性があります。

「検討の結果」「一身上の都合」だけでは不十分と思われることもあります。

その場合は「自分のキャリアプランを考え直した結果」など、もう少し具体的に説明しましょう。

ただし、企業の悪口や批判は絶対に避けてください。

4.内々定承諾後の辞退で避けるべきNG行動

4.内々定承諾後の辞退で避けるべきNG行動

連絡を先延ばしにして企業に迷惑をかける

辞退の連絡を先延ばしにすることは、最もやってはいけない行動です。

「もう少し考えてから」「他の選考結果が出てから」と先延ばしにすると、企業の採用計画に大きな影響を与えます。

特に内定式直前や入社直前の辞退は、企業に多大な損害を与える可能性があります。

すでに研修費用を支払っていたり、社宅の契約を進めていたりする場合もあります。

このような悪質な辞退は、損害賠償を請求されるリスクも高まります。

また、大学のキャリアセンターにも迷惑がかかり、後輩の就職活動にも悪影響を及ぼします。

辞退を決めたら、即座に連絡することが社会人としての最低限のマナーです。

メールだけで済ませて電話連絡をしない

内々定承諾後の辞退を、メールだけで済ませるのは非常識です。

メールは相手の都合を気にせず送れる便利なツールですが、誠意が伝わりにくいという欠点があります。

企業は時間とコストをかけてあなたを採用しようとしていました。

その企業に対して、メールだけで辞退を伝えるのは失礼にあたります。

必ず電話で直接謝罪し、辞退の意思を伝えることが重要です。

「電話は苦手だから」「怒られるのが怖いから」という理由でメールだけにするのは避けましょう。

電話の後にメールでフォローするのは良いですが、メール単独での辞退連絡は控えてください。

嘘の理由を伝えて辞退する

辞退理由で嘘をつくことは、絶対に避けるべき行動です。

「家族の介護が必要になった」「健康上の理由で」など、事実でない理由を伝えるのは危険です。

同じ業界内であれば、後で嘘がバレる可能性があります。

また、企業が事実確認のために連絡してくる場合もあります。

嘘がバレた場合、自分の信用を完全に失うことになります。

「他社の内定を受けた」という理由が言いにくくても、正直に伝える方が誠実です。

理由を詳しく説明する必要はありませんが、嘘をつくことだけは避けましょう。

企業も就活生が複数の企業を受けていることは理解しています。

内々定をキープしたまま無断で就活を続ける

内々定をキープしたまま、企業に黙って就活を続けるのは非常に問題のある行動です。

内々定に法的拘束力はないため、技術的には就活を続けることは可能です。

しかし、企業に「入社します」と伝えておきながら、裏で他社を受け続けるのは不誠実です。

このような行動が企業に知られた場合、内々定を取り消される可能性があります。

また、業界内で悪い評判が広まるリスクもあります。

内々定承諾後も就活を続けたい場合は、正直に企業に相談しましょう。

「他にも選考中の企業があり、最終的な判断には少し時間がほしい」と伝えることが大切です。

企業によっては、一定期間の猶予を与えてくれる場合もあります。

まとめ

内々定承諾後の辞退について、重要なポイントをまとめます。

  • 内々定承諾後でも法律上は辞退可能だが、企業に迷惑をかけることを理解する
  • 内々定と内定の違いを正しく理解し、法的拘束力の有無を確認する
  • 他社から良い条件の内定が出た場合や、ミスマッチに気づいた場合は辞退を検討する
  • 家庭や健康上の事情、企業の経営不安も正当な辞退理由になる
  • 辞退を決めたら迷わずすぐに連絡することが最も重要
  • 必ず電話で直接謝罪し、その後メールでフォローすると丁寧
  • 辞退理由は嘘をつかず正直に簡潔に伝える
  • メールだけで済ませる、連絡を先延ばしにする、嘘をつくなどのNG行動は避ける
  • 内々定をキープしたまま無断で就活を続けるのは不誠実
  • 誠実な対応を心がければ、トラブルなく辞退できる

内々定承諾後の辞退は決して簡単な決断ではありませんが、自分のキャリアを真剣に考えた結果であれば、誠実に対応することで円満に解決できます。
企業への感謝の気持ちを忘れず、マナーを守って連絡すれば、きっと理解してもらえるはずです。
あなたの就職活動が納得のいく結果になることを願っています。

関連サイト
厚生労働省(労働契約や雇用に関する情報)
https://www.mhlw.go.jp/

投稿者 torise

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