あなたは履歴書の職歴欄に「一身上の都合により退職」と書くべきか迷ったことはありませんか?結論、自己都合で退職した場合は「一身上の都合により退職」と書けばOKです。この記事を読むことで履歴書における退職理由の正しい書き方や、ケース別の書き分け方がわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。

1.「一身上の都合により退職」の基本知識

1.「一身上の都合により退職」の基本知識

「一身上の都合」の意味とは

「一身上の都合」とは、個人的な事情や都合を意味する言葉です。

履歴書の職歴欄では、自己都合で退職した場合に使用する定型文として広く使われています。

具体的には、転職を目的とした退職、結婚や出産、家族の介護、配偶者の転勤による転居など、労働者自身の意思や個人的な理由で退職を選んだケースがこれに該当します。

「一身上の都合」という表現を使うことで、プライベートな詳細を明かすことなく、退職の事実を簡潔に伝えることができます。

そのため、履歴書という限られたスペースにおいて非常に便利な言い回しといえるでしょう。

履歴書の退職理由は書かなくてもよい理由

履歴書の職歴欄は、過去の経歴の概略を示す場所であり、詳細な退職理由を記載する必要はありません。

企業側も履歴書では詳しい情報までは求めていないのが実情です。

詳細な退職理由を書くことで、かえってネガティブな印象を与えてしまうリスクもあります。

また、履歴書の職歴欄は行数が限られているため、長い説明を書くことで書類全体が見にくくなってしまう可能性もあります。

基本的には「一身上の都合により退職」という簡潔な表現で十分であり、具体的な退職理由については面接で聞かれた際に答えれば問題ありません。

「退職」と「退社」どちらを使うべきか

履歴書には「退職」を使用する方が適切です。

「退社」には会社を辞めるという意味のほかに、「1日の勤務を終えて帰宅する」という意味もあるため、文脈によっては誤解を招く可能性があります。

一方、「退職」には「仕事を辞める」という意味しかないため、明確に退職の事実を伝えることができます。

また、「退社」は会社を辞める場合に使われますが、病院や学校、官公庁など会社組織ではない職場を辞める場合は「退職」を使うのが一般的です。

このような理由から、履歴書では「退職」という表現を使うことをおすすめします。

自己都合退職と会社都合退職の違い

退職には大きく分けて自己都合退職と会社都合退職の2種類があります。

自己都合退職とは、労働者自身が主体的に選んだ退職のことで、転職やキャリアアップ、結婚、介護、病気療養などが該当します。

一方、会社都合退職とは、企業側からの申し出によって退職するケースで、会社の倒産、業績悪化による人員整理、リストラ、事業所の廃止などが該当します。

また、ハラスメントや過度の長時間労働など職場環境に問題がある場合や、退職勧奨に応じた場合、会社の都合で労働契約が更新されなかった場合も会社都合退職に含まれます。

履歴書には、自己都合の場合は「一身上の都合により退職」、会社都合の場合は「会社都合により退職」と記載する必要があります。

2.履歴書における「一身上の都合により退職」の正しい書き方

2.履歴書における「一身上の都合により退職」の正しい書き方

基本的な書き方と記入例

履歴書の職歴欄では、入社した会社名と「入社」を書いた行の次の行に、会社名と「一身上の都合により退職」を記載します。

基本的な記入例は以下の通りです。

2020年4月 株式会社○○ 入社

2023年3月 株式会社○○ 一身上の都合により退職

職歴が多い場合など、同じ表記ばかりが並ぶことが気になる場合は、「一身上の都合により退職」を省略して単に「退職」とだけ書いても問題ありません。

記載する際は、退職年月を正確に記入することが重要です。

自己都合退職の場合の書き方

自己都合退職の場合は、退職年月とともに「一身上の都合により退職」と記載するのが基本です。

転職を目的とした退職、キャリアチェンジ、スキルアップのための退職など、自分の意思で退職を選んだ場合がこれに該当します。

プライベートな事情を知らせたくない場合は、「一身上の都合により退職」とだけ記載すれば十分です。

ただし、やむを得ない事情がある場合や前向きな理由がある場合は、後述するように具体的な理由を簡潔に添えることで、より良い印象を与えられる可能性があります。

会社都合退職の場合の書き方

会社都合退職の場合は、退職年月とともに「会社都合により退職」と記載します。

基本的には「会社都合により退職」とだけ書けば問題ありませんが、退職理由がポジティブなものでない場合には、「業績悪化により会社都合退職」「事業撤退により会社都合退職」などと補足することで、受け取る印象を和らげる効果があります。

記入例は以下の通りです。

2018年4月 株式会社△△ 入社

2024年3月 業績悪化により会社都合退職

会社都合退職であることを明記することで、自分に問題があって辞めたわけではないという印象を与えることができ、不利な誤解を避けられます。

契約期間満了の場合の書き方

契約社員や派遣社員など、期間の定めがある雇用契約を結んでいる場合、契約期間が満了して退職する際は「契約期間満了により退職」または「契約期間満了につき退職」と記載します。

記入例は以下の通りです。

2021年4月 株式会社□□ 入社(契約社員)

2023年3月 契約期間満了により退職

なお、契約期間の途中で本人の意思により退職した場合は自己都合退職となり、「一身上の都合により退職」と記載します。

一方、契約期間の途中で企業側から契約を解除された場合は、会社都合退職に該当します。

在職中で退職予定がある場合の書き方

現在在職中で、退職予定日が決まっている場合は、最後の職歴の次の行に「現在に至る」と記載した後、括弧書きで退職予定日を追記します。

記入例は以下の通りです。

2020年4月 株式会社◇◇ 入社

現在に至る(2025年12月31日 退職予定)

退職予定日が確実でない限り、記載しないほうが無難です。

現在の職場と退職日について相談中であれば、面接の際に口頭で伝えるようにしましょう。

退職予定が未定の場合は、単に「現在に至る」または「在職中」とだけ記載します。

3.「一身上の都合」以外の退職理由を書いた方がよいケース

3.「一身上の都合」以外の退職理由を書いた方がよいケース

転職回数が多い場合の対処法

転職回数が多い場合、採用担当者に「すぐに辞めてしまうのではないか」という不安を与える可能性があります。

目安として、3回以上の転職がある場合は転職回数が多いと判断されることがあります。

このような場合は、「一身上の都合により退職」とだけ書くのではなく、やむを得ない事情や前向きな理由を簡潔に添えることをおすすめします。

例えば、「キャリアアップのため退職」「○○業界への挑戦のため退職」などと記載することで、計画的な転職であることをアピールできます。

ただし、すべての退職に理由を付記するのではなく、必要な場合のみ具体的に記載したほうが良いでしょう。

離職期間が長い場合の説明方法

退職してから次の就職までの期間が半年以上など長期間空いている場合は、その理由を説明したほうが良いでしょう。

離職期間が長いと、採用担当者に「社会復帰できるのか」という懸念を持たれる可能性があるためです。

例えば、以下のような書き方が効果的です。

  • 「病気療養のため退職(現在は完治しており、勤務には支障ありません)」
  • 「資格取得のため退職。同期間中に○○資格を取得」
  • 「出産のため退職。現在は保育園に預け、フルタイム勤務可能」

現在は業務に支障がないことを補足しておくことで、採用担当者の不安を軽減できます。

短期間で退職した場合の書き方

1社あたりの勤務期間が3年未満の転職を繰り返している場合や、短期間で複数回退職している場合は、「長続きしないのでは」と思われるリスクがあります。

このような場合は、やむを得ない事情があれば理由を添えることで、誤解を防ぐことができます。

例えば、以下のような記載が考えられます。

  • 「配偶者の転勤により退職」
  • 「親の介護のため退職」
  • 「契約期間満了により退職」

客観的に伝わる表現を使うことが重要です。

また、キャリアアップのための計画的な転職であれば、その旨を明記することでポジティブな印象を与えられます。

やむを得ない事情がある場合の具体例

「一身上の都合により退職」という定型文では不十分と判断される場合、具体的な理由を簡潔に記載することで、採用担当者の理解を得やすくなります。

やむを得ない事情の具体例と書き方は以下の通りです。

  • 「結婚に伴い退職」
  • 「転居に伴い退職」
  • 「親の介護のため退職」
  • 「病気治療のため退職」
  • 「留学のため退職」

これらの理由は、本人に非がない正当な理由として受け入れられやすいものです。

ただし、無理に具体的な理由を書く必要はなく、プライベートな事情を知らせたくない場合は「一身上の都合により退職」としておいても問題ありません。

4.面接で退職理由を聞かれたときの対応方法

4.面接で退職理由を聞かれたときの対応方法

面接官が退職理由から読み取ること

面接官は退職理由から、応募者が長期的に働いてくれるかどうかを判断しようとしています。

また、退職理由に納得できるかどうかも重要なポイントです。

特に短期間での退職や転職回数が多い場合は、「同じ理由でまた辞めてしまうのではないか」という不安を持たれる可能性があります。

面接官が注目するのは、退職理由がその後のキャリアにどのように影響を与えたか、新しい職場に長期的に貢献できる意欲があるかといった点です。

退職理由を伝える際は、前向きな表現を心がけ、次の職場でどう活かせるかを示すことが重要です。

ネガティブな理由をポジティブに変換する方法

人間関係の悩みや長時間労働、給与への不満など、ネガティブな理由で退職した場合でも、面接では前向きな表現に変換して伝えることが大切です。

例えば、以下のような変換が効果的です。

  • 「給与に不満があった」→「成果を重視する環境に身を置きたいため」
  • 「人間関係が悪かった」→「チームワークを大切にする職場で働きたいため」
  • 「残業が多かった」→「ワークライフバランスを整え、スキルアップの時間を確保するため」

このように、自分の成長や前向きなキャリアプランと結びつけることで、採用担当者に良い印象を与えることができます。

会社都合退職を説明する際の注意点

会社都合退職であることは、本人に非がないという明確な根拠になります。

そのため、基本的には会社都合退職と伝えることでマイナス評価になることはほとんどありません。

ただし、会社への不満や批判を述べることは避けるべきです。

例えば、以下のような説明が適切です。

  • 「業績悪化により、事業部が閉鎖されることになりました」
  • 「本社の方針により日本から撤退することになりました」
  • 「経営統合に伴う人員整理の対象となりました」

事実を客観的に述べることで、誠実な印象を与えることができます。

退職理由を伝える際の具体的な回答例

面接で退職理由を聞かれた際の具体的な回答例をいくつか紹介します。

キャリアアップを目指した退職の場合:

「前職では営業として3年間勤務し、基本的なスキルを身につけることができました。しかし、より専門性の高い○○分野に挑戦したいという思いが強くなり、退職を決意いたしました。御社では○○の実績があり、私の目指すキャリアを実現できると考えております。」

家庭の事情による退職の場合:

「親の介護が必要となり、一時的に退職いたしました。現在は介護サービスを利用することで、フルタイムでの勤務が可能な状態です。ブランク期間中も○○の資格取得に取り組み、スキルアップに努めてまいりました。」

会社都合退職の場合:

「前職では外資系企業に勤めておりましたが、本国の経営方針により日本事業から撤退することになりました。在籍中は○○のプロジェクトに携わり、大きな成果を上げることができました。この経験を御社でも活かしたいと考えております。」

いずれの場合も、事実を簡潔に述べた上で、次の職場でどう貢献できるかを示すことがポイントです。

まとめ

  • 「一身上の都合」とは個人的な事情を意味し、自己都合退職の場合に使用する定型文である
  • 履歴書には詳細な退職理由を書く必要はなく、「一身上の都合により退職」で十分
  • 「退職」と「退社」では「退職」を使う方が明確で適切
  • 自己都合退職は「一身上の都合により退職」、会社都合退職は「会社都合により退職」と記載する
  • 契約期間満了の場合は「契約期間満了により退職」と書く
  • 転職回数が多い場合や離職期間が長い場合は、具体的な理由を簡潔に添えることで誤解を防げる
  • 短期間での退職が続く場合は、やむを得ない事情や前向きな理由を明記することが効果的
  • 面接ではネガティブな退職理由をポジティブな表現に変換して伝えることが重要
  • 会社都合退職は本人に非がないため、事実を客観的に述べればマイナス評価にはならない
  • 退職理由を伝える際は、次の職場でどう貢献できるかを示すことがポイント

履歴書の退職理由は状況に応じて適切に書き分けることで、採用担当者に良い印象を与えることができます。基本的には「一身上の都合により退職」で問題ありませんが、必要に応じて具体的な理由を簡潔に添えることで、より効果的なアピールが可能になります。自信を持って転職活動に臨んでください。

関連サイト
厚生労働省 – 知って役立つ労働法

投稿者 torise

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