あなたは「派遣契約の途中だけど体調不良で辞めたい」と悩んでいませんか?結論、体調不良は正当な退職理由として認められるケースが多いです。この記事を読むことで体調不良で円満退職する方法や注意点がわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
Contents
1.派遣契約を体調不良で途中辞めることは可能なのか

派遣契約の基本ルールと原則
派遣として働く際は、派遣会社と期間を定めた雇用契約を結びます。
この契約は有期雇用契約と呼ばれ、原則として契約期間中の退職は認められていません。
多くの派遣契約は2ヶ月から3ヶ月ごとの更新制となっており、双方の合意があれば契約を更新する仕組みです。
契約期間中は労働者も企業も契約内容を守る義務があるため、簡単には辞められないのが基本ルールとなっています。
ただし、これはあくまで「原則」であって、すべてのケースで契約途中の退職が認められないわけではありません。
体調不良は「やむを得ない事由」に該当するのか
体調不良による退職は、民法第628条で定められている「やむを得ない事由」に該当します。
この法律では、契約期間を定めている場合でも、やむを得ない事情があるときは直ちに契約を解除できると規定されています。
働けないほどの重度の体調不良や病気の場合、契約を継続することが物理的に不可能な状態と認められるのです。
精神的な不調も含めて、医師から就業が困難と診断された場合は、正当な退職理由として扱われることがほとんどです。
派遣会社側も、体調不良を放置して悪化させると責任問題になるため、比較的すんなりと退職を受け入れてくれるケースが多いでしょう。
契約途中で辞められるケースと辞められないケース
辞められるケースとしては、体調不良のほかに家族の介護、ハラスメント被害、契約内容との相違などがあります。
親や家族の介護で勤務時間に制限ができた場合も、物理的に契約の続行が不可能なため正当な理由と認められます。
また、派遣先でパワハラやセクハラを受けている場合も、やむを得ない事由として退職が可能です。
契約書に記載されていない業務を強要されるなど、契約違反がある場合も同様に辞めることができます。
一方で辞められないケースは、単に「仕事が合わない」「人間関係が嫌」といった個人的な理由だけの場合です。
転職先が見つかったという理由も、契約期間中の退職理由としては認められにくいでしょう。
民法第628条が認める退職の条件
民法第628条では「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる」と定められています。
この「やむを得ない事由」とは、契約を継続することが客観的に困難な状況を指します。
ただし、やむを得ない事由が労働者側の故意や重大な過失によって生じた場合は、相手方に損害賠償の責任を負う可能性があります。
体調不良の場合、本人の故意ではないため基本的に損害賠償を請求されることはありません。
また、勤務期間が1年以上経過している場合は、労働基準法第137条により特別な理由がなくても退職が認められています。
この場合は、やむを得ない事由がなくても退職の申し出ができるため、覚えておくと良いでしょう。
2.派遣を体調不良で辞めるための具体的な手順

まず派遣会社の担当者に相談する
体調不良で辞めたいと思ったら、まず派遣会社の担当者に連絡することが最優先です。
相談先は派遣先の企業ではなく、必ず雇用契約を結んでいる派遣会社の営業担当者にしてください。
派遣会社が派遣先企業との調整や契約解除の手続きを代行してくれるため、直接派遣先に伝える必要はありません。
電話で話すのがつらい場合は、メールで連絡しても構いません。
ただし、音信不通になるのだけは絶対に避けましょう。
連絡を怠ると、退職手続きが進まず離職票も発行されないため、失業保険の受給にも影響が出てしまいます。
診断書や証明書類の準備について
診断書の提出は法律で義務付けられているわけではありませんが、用意しておくと説得力が増します。
特に派遣会社の立場からすると、派遣先企業は大切な取引先であるため、契約途中での解約を申し出る際に正当性を示す必要があります。
医師の診断書があれば「ドクターストップがかかった」という形で派遣先にも説明しやすくなるのです。
診断書には就業が困難である旨が明記されていることが重要です。
もし通院していて診断書を取得できる状況であれば、数千円程度の費用はかかりますが準備しておくことをおすすめします。
診断書が用意できない場合でも、具体的な症状や通院の事実を伝えれば対応してもらえるケースもあります。
退職の意思を伝えるタイミングはいつが最適か
できるだけ早く派遣会社に連絡することが望ましいです。
体調不良で出勤できない状態になったら、その日のうちに派遣会社に状況を報告しましょう。
民法上は「やむを得ない事由」がある場合、2週間前という通知期間は不要とされていますが、できる限り早めに伝えることで円滑に進みます。
契約途中での退職は派遣先企業や派遣会社に少なからず迷惑をかけるため、早期の連絡が誠意を示すことにもつながります。
欠勤が続いている状態であれば、その間にこまめに派遣会社とコミュニケーションを取っておくことが大切です。
体調が回復する見込みがないと判断した時点で、正式に退職の意向を伝えるようにしましょう。
退職届や退職願の提出方法
契約満了のタイミングで退職する場合は、退職願や退職届の提出は基本的に不要です。
単に次回の契約更新をしない旨を伝えるだけで、派遣会社が手続きを進めてくれます。
しかし、契約期間の途中でやむを得ず退職する場合は、退職願と退職届の提出が必要になることがあります。
派遣会社から指示がありますので、その指示に従って期限内に提出してください。
書類の書式は派遣会社が用意してくれる場合が多いですが、自分で作成する場合は退職理由を「一身上の都合により」または「体調不良のため」と記載します。
提出方法は郵送や直接持参など、派遣会社の指示に従って対応しましょう。
業務の引き継ぎと貸与品の返却手続き
体調不良であっても、可能な範囲で業務の引き継ぎをすることがマナーです。
少しでも出社できる状態であれば、最終出勤日を調整して引き継ぎ資料を作成したり、後任者に説明したりすることを検討しましょう。
どうしても出社が困難な場合は、メールや電話で確認事項に対応する形でも構いません。
派遣会社と相談して、できる範囲での対応を決めていくことが大切です。
貸与品の返却も忘れずに行いましょう。
IDカードやセキュリティカード、パソコン、制服などの貸与物は必ず返却する必要があります。
これらを返却しないと、派遣先や派遣会社に大きな迷惑をかけるだけでなく、最悪の場合は窃盗として法的問題に発展する可能性もあります。
出社できない場合は、派遣会社に郵送で返却する方法を相談しましょう。
私物の回収も同様に、派遣会社に代理で回収してもらうなどの対応を依頼できます。
3.体調不良で途中退職するときの注意点

派遣先ではなく派遣元に連絡すべき理由
退職の相談は必ず派遣元の会社にしてください。
雇用契約を結んでいるのは派遣先企業ではなく派遣会社だからです。
派遣先に直接退職の話をしてしまうと、契約関係が複雑になり手続きがスムーズに進まなくなる可能性があります。
派遣会社が派遣先企業との調整を行い、契約解除の話を進めてくれるのが正しい流れです。
派遣先には派遣会社から正式に通知されるまで、退職のことを口外しないよう注意しましょう。
派遣会社の営業担当者に連絡することで、あなたの状況に応じた最適な対応をアドバイスしてもらえます。
無断欠勤やバックレは絶対に避けるべき
どんなに体調が悪くても、連絡なしに欠勤することだけは絶対にやめましょう。
無断欠勤は職務放棄とみなされ、派遣会社との信頼関係が完全に崩れてしまいます。
退職手続きが進まず、離職票の発行も遅れるため失業保険の受給にも影響します。
さらに、同じ派遣会社から今後一切仕事を紹介してもらえなくなるだけでなく、他の派遣会社にも悪い情報が伝わる可能性があります。
体調が悪くて電話ができない場合は、メールやメッセージでも構いませんので必ず連絡を入れてください。
「体調不良で出勤できません」という一報があるだけで、対応の仕方は大きく変わります。
有給休暇の消化は可能なのか
有給休暇が残っている場合は、退職前に消化できるか派遣会社に相談しましょう。
有給休暇は労働者の権利であり、会社側は原則として拒否できません。
契約満了での退職の場合は、事前に有給取得日を計算して消化することが可能です。
しかし、契約途中での退職の場合は、体調不良の状況次第で有給申請が難しいと感じる人もいるでしょう。
それでも権利として認められているものなので、遠慮せずに派遣会社に相談してみることをおすすめします。
有給を使いながら退職日まで過ごすことで、実質的に出勤日数を減らすことも可能です。
違約金や損害賠償を請求される可能性はあるか
体調不良で契約途中に辞めても、損害賠償を請求されることは基本的にありません。
体調不良はあなたの故意や重大な過失によるものではなく、やむを得ない事情として認められるためです。
民法第628条でも、やむを得ない事由が当事者の過失によって生じた場合にのみ損害賠償の責任があるとされています。
派遣業界では、派遣社員が急に辞めることは慣例的にある程度想定されており、過度に心配する必要はありません。
ただし、無断欠勤を繰り返したり、虚偽の理由で退職したりした場合は話が変わってきます。
誠実に対応し、正当な理由で退職する限りは損害賠償を恐れる必要はないのです。
次の派遣先紹介への影響を最小限にする方法
契約途中で退職すると、同じ派遣会社から今後仕事を紹介してもらうのは難しくなります。
派遣会社にとって、契約を途中で解除されることは派遣先企業との信頼関係に影響するため、どうしても慎重になります。
体調不良での退職は正当な理由ですが、それでも「またすぐに辞めるのではないか」と思われるリスクは避けられません。
影響を最小限にするためには、退職時の対応を誠実に行うことが重要です。
できる範囲での引き継ぎをしっかり行い、貸与品の返却もスムーズに済ませましょう。
また、退職理由が体調不良であることを正直に伝え、治療に専念する姿勢を示すことも大切です。
体調が回復したら再度働きたい旨を伝えておけば、派遣会社も前向きに対応してくれる可能性があります。
別の派遣会社にも登録しておくことで、次の仕事探しの選択肢を広げることもおすすめです。
4.体調不良退職後の失業保険と次の仕事探し

失業保険の受給条件と給付制限について
派遣社員でも条件を満たせば失業保険を受給できます。
基本的な受給条件は、離職日前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あることです。
また、失業状態であること、つまり働く意思と能力があるにもかかわらず職に就けない状態であることも必要です。
自己都合退職の場合は、7日間の待期期間に加えて2ヶ月間の給付制限期間があります。
この給付制限期間中は失業保険を受け取ることができず、経済的な負担が大きくなる可能性があります。
過去5年間のうち2回目までの離職は給付制限が2ヶ月、3回目以降は3ヶ月に延長されるため注意が必要です。
派遣契約の途中退職は基本的に自己都合退職として扱われることが多いため、この給付制限を覚悟しておく必要があります。
特定受給資格者として認定されるには
体調不良が原因の退職でも、特定受給資格者として認定される可能性があります。
特定受給資格者とは、会社都合退職と同等の扱いを受けられる退職者のことで、給付制限なしで失業保険を受給できます。
体調不良や病気、怪我による退職は「やむを得ない理由」として認められることがあります。
この場合、待期期間の7日後からすぐに失業保険の支給が始まるため、経済的な不安が軽減されます。
また、被保険者期間の条件も緩和され、離職前1年間に通算6ヶ月以上あれば受給資格が得られます。
特定受給資格者として認定されるかどうかは、ハローワークが離職理由を審査して判断します。
診断書や医師の意見書などがあると、認定されやすくなるでしょう。
もし離職票の退職理由に納得がいかない場合は、ハローワークに相談して調査を依頼することもできます。
体調回復後に同じ派遣会社から仕事を紹介してもらえるか
体調不良で退職した後、同じ派遣会社から再度仕事を紹介してもらえる可能性はゼロではありません。
ただし、契約途中での退職という実績が残るため、紹介のハードルは高くなると考えておいた方が良いでしょう。
派遣会社側は「また体調不良で辞めるのではないか」という懸念を持つため、慎重になるのは当然です。
再度働きたい場合は、退職時に派遣会社の担当者にその旨を伝えておくことが重要です。
体調が回復したら連絡する約束をしておけば、状況次第では仕事を紹介してもらえる可能性が高まります。
また、体調が完全に回復したことを証明する診断書を提出するなど、誠意を示す行動も効果的です。
とはいえ、同じ派遣会社だけに頼るのはリスクが高いため、複数の派遣会社に登録しておくことをおすすめします。
転職活動を始める前に確認すべきこと
転職活動を始める前に、まず体調が本当に回復しているか確認しましょう。
無理をして再就職しても、また同じように体調を崩してしまっては意味がありません。
医師に相談して、就業可能な状態であることを確認してから活動を始めることが大切です。
次に、前回の退職理由と同じ問題が起きないよう、働き方や職場環境を見直しましょう。
派遣という働き方が自分に合っているのか、正社員やパートなど他の選択肢も検討する価値があります。
勤務時間や通勤時間、業務内容など、無理のない条件で仕事を探すことが再発防止につながります。
失業保険の受給手続きも忘れずに行い、経済的な基盤を整えてから焦らず転職活動を進めましょう。
ハローワークの職業相談や求職支援を積極的に活用することで、自分に合った仕事が見つかりやすくなります。
まとめ
- 派遣契約は原則として途中退職できないが、体調不良は「やむを得ない事由」に該当し退職が認められる
- 民法第628条により、やむを得ない理由があれば契約途中でも直ちに契約解除が可能
- 退職の相談は派遣先ではなく必ず派遣元の会社にすることが重要
- 診断書は義務ではないが用意すると退職理由の説得力が増す
- 無断欠勤やバックレは絶対に避け、必ず派遣会社に連絡を入れる
- 体調不良での退職でも損害賠償を請求されることは基本的にない
- 契約途中退職は同じ派遣会社からの今後の仕事紹介に影響する可能性がある
- 失業保険は条件を満たせば受給可能だが自己都合退職の場合は2ヶ月の給付制限がある
- 体調不良が原因の退職は特定受給資格者として認定され給付制限なしで受給できる可能性がある
- 転職活動を始める前に体調の完全な回復を確認し無理のない働き方を選ぶことが大切
体調不良で派遣を辞めることは決して悪いことではありません。あなたの健康が何よりも大切です。誠実に手続きを進め、しっかりと体調を整えてから次のステップに進んでください。
関連サイト
