あなたは「職場にいるトラブルメーカーのせいで仕事が進まない」と悩んだことはありませんか?結論、職場のトラブルメーカーを辞めさせるには法的手順を踏んだ適切な対応が必要です。この記事を読むことで、トラブルメーカーの特徴から具体的な辞めさせ方、法的な注意点まで総合的にわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
1.職場のトラブルメーカーとは何か

トラブルメーカーの定義と特徴
トラブルメーカーとは、職場において頻繁に問題やトラブルを引き起こす社員のことを指します。
この定義の核心は、本人の自覚の有無にかかわらず、周囲に迷惑をかけ続ける点にあります。
多くのトラブルメーカーは、自分が問題の原因になっているという認識を持っていません。
むしろ「自分は悪くない」「周りが理解してくれない」と考える傾向があり、このギャップが問題を深刻化させています。
トラブルメーカーには明確な共通点があります。
- 自己中心的で他者への配慮が欠けている
- ミスや失敗を認めず責任転嫁する
- 報告・連絡・相談をしない
- 約束や期限を守らない
- 感情のコントロールができない
これらの特徴が複数当てはまる社員は、トラブルメーカーである可能性が高いといえるでしょう。
トラブルメーカーの具体的な問題行動
トラブルメーカーが起こす問題行動は多岐にわたります。
業務面での問題行動としては、遅刻や無断欠勤の繰り返し、業務中の居眠りや私語、勝手な判断による業務の進行などが挙げられます。
仕事の優先順位を自分の気分で決めてしまい、重要な業務を後回しにすることも頻繁に見られます。
対人関係での問題行動も深刻です。
同僚や上司に対して横柄な態度を取る、パワハラやセクハラ行為を行う、他人の秘密を平気で漏らす、根拠のない噂話を広めるといった行動が該当します。
また、指摘や注意に対して逆ギレしたり、言い訳ばかりして改善しようとしない姿勢も問題です。
特に厄介なのは、失敗を隠蔽したり虚偽の報告をする行為です。
ミスを認めたくないという心理から嘘をつき、それが発覚するとさらに大きなトラブルに発展するという悪循環に陥ります。
トラブルメーカーとモンスター社員の違い
トラブルメーカーとモンスター社員は似た概念ですが、厳密には異なります。
トラブルメーカーは主に仕事の進め方や対人関係で問題を起こす人を指すのに対し、モンスター社員はより広範囲かつ悪質な問題行動を指す概念です。
モンスター社員には、会社への攻撃的な態度、理不尽な要求の繰り返し、意図的な業務妨害、犯罪行為や不正行為などが含まれます。
トラブルメーカーの中でも特に悪質で改善の見込みがないケースが、モンスター社員と呼ばれる傾向にあります。
ただし実務上は、どちらも職場環境を悪化させる問題社員として同様の対応が必要になることが多いです。
重要なのは呼び方ではなく、具体的にどのような問題行動があり、それがどの程度の悪影響を及ぼしているかを正確に把握することです。
職場に与える悪影響とリスク
トラブルメーカーの存在は、職場全体に深刻な影響を及ぼします。
最も直接的な影響は生産性の低下です。
トラブルメーカーの起こした問題の尻拭いに他の社員が時間を取られ、本来の業務に集中できなくなります。
また、トラブルメーカーの言動が原因で職場の雰囲気が悪化し、チーム全体のモチベーションが下がってしまいます。
優秀な人材の流出も深刻なリスクです。
真面目に働いている社員ほど、問題社員が放置されている状況に不満を感じます。
「なぜあんな人が野放しなのか」「会社は従業員を守ってくれない」という不信感から、有能な社員が次々と退職してしまう事態も珍しくありません。
企業の法的責任も問われる可能性があります。
トラブルメーカーによるハラスメント行為を放置した場合、被害を受けた社員が会社に対して損害賠償を請求できます。
また、取引先に対する失礼な対応や不適切な行為によって、企業の信用が損なわれるリスクもあるのです。
2.トラブルメーカーを放置するリスク

職場環境の悪化と生産性の低下
トラブルメーカーを放置すると、職場環境は加速度的に悪化していきます。
問題行動が容認されていると周囲が感じると、職場の秩序そのものが崩れ始めます。
「あの人は何をやっても許されるのに、なぜ自分たちは厳しく指導されるのか」という不公平感が広がり、他の社員の勤務態度にも悪影響を及ぼします。
業務の停滞も深刻な問題です。
トラブルメーカーが関わるプロジェクトでは、情報共有の不足やコミュニケーションエラーが頻発します。
他の社員が問題をカバーするために通常の2倍、3倍の労力を費やすことになり、残業の増加や過労の原因となります。
こうした状況が続くと、職場全体のパフォーマンスが低下し、企業の売上や業績にも直接的な影響が出てきます。
顧客対応の質が下がり、納期遅延が発生するなど、対外的な信用を失うリスクも高まるのです。
優秀な人材の流出と離職率の上昇
トラブルメーカーの放置が最も深刻な影響を与えるのが、優秀な人材の流出です。
能力の高い社員ほど、他にも選択肢があるため、劣悪な職場環境には見切りをつけやすいという現実があります。
特に問題なのは、辞めていくのが優秀な社員であり、トラブルメーカーは残り続けるという構図です。
これにより職場の人材の質がさらに低下し、企業の競争力が損なわれます。
離職に伴うコストも無視できません。
新たな人材の採用、育成には多大な時間と費用がかかります。
経験豊富な社員が抜けた穴を埋めるには、通常数年単位の時間が必要です。
また、離職者が増えると企業の評判も悪化します。
転職サイトの口コミや業界内の噂として「あの会社は問題社員を放置している」という情報が広まれば、優秀な人材の採用がますます困難になるでしょう。
企業の法的責任とハラスメント問題
トラブルメーカーによるハラスメント行為を放置することは、企業にとって重大な法的リスクとなります。
職場でのパワハラやセクハラを認識しながら対処しなかった場合、企業は安全配慮義務違反として損害賠償責任を負う可能性があります。
近年では、ハラスメント防止措置が法律で義務化されており、適切な対応を怠った企業への処分も厳しくなっています。
実際の裁判例では、被害社員に対して数百万円から1000万円を超える賠償金の支払いを命じられたケースもあります。
また、メンタルヘルス不調を発症した社員が長期休職に入った場合、その間の給与補償や復職支援の負担も企業が負うことになります。
ハラスメント問題は企業イメージの毀損にもつながります。
SNSやマスメディアで報道されれば、顧客離れや株価下落、新規採用への悪影響など、経営に深刻なダメージを与える可能性があるのです。
取引先や顧客との関係悪化
トラブルメーカーの問題行動は、社内だけでなく社外にも波及します。
取引先に対する失礼な対応や不適切な言動があれば、長年築いてきたビジネス関係が一瞬で崩れることもあります。
例えば、納期を勝手に判断して遅らせたり、取引先からの正当なクレームに攻撃的に対応したりする行為は、企業の信用を著しく損ないます。
顧客対応での問題も深刻です。
トラブルメーカーが接客や営業を担当している場合、その不適切な態度や言動が原因で顧客満足度が低下します。
一度失った顧客の信頼を取り戻すには、通常の何倍もの努力が必要になります。
さらに、SNSの普及により、一人の社員の不適切な対応が瞬時に拡散され、企業全体のブランドイメージを傷つける時代になっています。
問題社員一人の行動が、企業の存続を脅かすリスクさえあることを認識すべきでしょう。
3.職場のトラブルメーカーを辞めさせる具体的な方法

問題行動の事実確認と証拠の記録化
トラブルメーカーを辞めさせるための第一歩は、問題行動の事実を客観的に記録することです。
感情的な判断や曖昧な記憶だけでは、後に法的な争いになった際に不利になります。
具体的には、問題行動が発生した日時、場所、関係者、具体的な言動、それによって生じた影響などを詳細に記録しましょう。
証拠の種類には以下のようなものがあります。
- 勤怠記録(遅刻・欠勤の履歴)
- メールやチャットのログ
- 業務日報や報告書
- 同僚や上司の証言(書面化したもの)
- 音声録音や映像記録(適法に取得したもの)
- 顧客からのクレーム記録
重要なのは、一度の問題行動だけでなく、繰り返し行われている事実を示すことです。
パターン化された問題行動の記録があれば、「改善の見込みがない」という判断の根拠になります。
記録は時系列で整理し、いつでも提示できるよう保管しておきましょう。
適切な指導と面談の実施
証拠を集めるだけでなく、改善の機会を与えたという事実も重要です。
いきなり解雇や退職勧奨を行うと、「会社は改善の機会を与えなかった」として不当解雇と判断される可能性が高まります。
指導の際には以下の点に注意しましょう。
口頭での注意だけでなく、必ず書面でも記録を残すこと。
「いつ、誰が、どのような内容の指導を行ったか」を明確にします。
指導内容は具体的かつ明確にし、「態度が悪い」といった抽象的な表現ではなく、「○月○日の会議で上司に対して『そんなことも知らないのか』と発言した」など、具体的な事実を示すことが重要です。
面談は複数回実施し、段階的に対応を強めていきます。
最初は口頭注意、次に書面での警告、改善が見られなければ懲戒処分といった流れが一般的です。
各段階で本人に改善の機会を与え、期限を設定して改善状況を確認することが必要です。
就業規則に基づいた懲戒処分の手順
懲戒処分を行う際には、就業規則に明記された手順を厳守することが絶対条件です。
就業規則に記載のない理由や方法での処分は、無効と判断される可能性が高くなります。
懲戒処分の種類には段階があります。
- 譴責(けんせき):始末書を提出させる
- 減給:一定期間給与を減額する
- 出勤停止:一定期間の出勤を禁止する
- 降格:役職や職位を下げる
- 諭旨解雇:退職を勧告し、応じない場合は解雇する
- 懲戒解雇:即時に雇用契約を解除する
原則として軽い処分から順に適用し、改善が見られない場合に段階的に重い処分に移行します。
いきなり懲戒解雇を行うと、処分の相当性が否定されるリスクがあります。
懲戒処分を行う際には、本人に弁明の機会を与えることも重要です。
一方的な処分ではなく、本人の言い分を聞いた上で判断したという手続きの公正さが求められます。
自主退職を促す効果的なアプローチ
解雇よりもリスクが低い方法として、自主退職を促す退職勧奨があります。
退職勧奨とは、会社が社員に対して退職を勧める行為で、あくまで本人の同意に基づく退職を目指すものです。
効果的な退職勧奨のポイントは以下の通りです。
まず、本人に現状の問題点を客観的に説明し、このまま改善しない場合の不利益(解雇の可能性など)を伝えます。
ただし、脅迫にならないよう慎重な言い回しが必要です。
次に、自主退職した場合のメリットを提示します。
例えば、退職金の上乗せ、退職理由を「一身上の都合」とすることで転職活動に不利にならないよう配慮する、退職日を本人の希望に合わせるなどです。
面談は必ず複数人で行い、記録を残すことが重要です。
後に「強要された」と主張されないよう、あくまで提案であり選択は本人の自由であることを明確にしましょう。
退職勧奨を行う際の注意点
退職勧奨は適切に行えば有効な手段ですが、やり方を誤ると違法な退職強要となります。
絶対に避けるべき行為は以下の通りです。
長時間にわたる執拗な説得や、密室での威圧的な面談は違法と判断されます。
面談は1回1~2時間程度、回数も必要最小限に留めましょう。
退職を拒否する権利があることを明確に伝え、拒否された場合はそれ以上強要しないことが重要です。
また、退職勧奨に応じないことを理由に、業務を与えない、配置転換で嫌がらせをするといった報復行為は厳禁です。
退職勧奨の内容は必ず記録に残します。
面談の日時、出席者、話した内容を議事録として作成し、可能であれば本人の署名をもらうことが望ましいです。
もし本人が退職に同意した場合は、必ず退職届を提出してもらい、書面で退職の意思を確認しましょう。
口頭での合意だけでは、後に「退職する意思はなかった」と主張される可能性があります。
4.辞めさせる際の法的な注意点

労働基準法による労働者の保護
日本の労働法制は、労働者を手厚く保護する仕組みになっています。
労働基準法をはじめとする各種法令により、企業が一方的に労働者を解雇することは厳しく制限されているのです。
特に重要な保護規定として、解雇予告制度があります。
労働基準法第20条により、従業員を解雇する場合は少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。
予告期間が30日に満たない場合は、不足日数分の手当を支払う必要があります。
解雇が禁止される期間もあります。
業務上の負傷や疾病で休業している期間とその後30日間、産前産後の休業期間とその後30日間は、原則として解雇できません。
また、妊娠・出産・育児休業等を理由とした解雇も禁止されています。
労働契約法第16条では、解雇権濫用法理が定められています。
これは「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は無効」とするもので、解雇のハードルが非常に高いことを示しています。
不当解雇と判断されないためのポイント
解雇が不当と判断されると、企業は解雇を撤回するか、多額の金銭補償を命じられることになります。
不当解雇訴訟で敗訴した場合、解雇から判決までの賃金相当額(通常1~3年分)の支払いを命じられることも珍しくありません。
不当解雇と判断されないための重要なポイントは以下の通りです。
まず、就業規則に解雇事由が明記されていることが大前提です。
2004年の労働基準法改正により、就業規則への解雇事由の記載が義務付けられており、記載のない理由での解雇は無効となる可能性が高いです。
解雇理由は客観的かつ具体的である必要があります。
「勤務態度が悪い」「協調性がない」といった抽象的な理由ではなく、「○月○日に無断欠勤、○月○日に顧客に対して暴言」など、具体的な事実の積み重ねが必要です。
改善の機会を与えたことを示す記録も不可欠です。
注意指導を行い、改善の期限を設定し、それでも改善されなかったという経緯を証拠として残しておくことが重要です。
他の従業員との公平性も問われます。
同様の問題行動をした他の従業員は解雇されていないのに、特定の従業員だけを解雇した場合、不当解雇と判断される可能性があります。
解雇が認められる正当な理由
裁判所が解雇を有効と判断するには、極めて重大な事由が必要です。
過去の判例から、解雇が認められやすいケースをまとめると以下のようになります。
能力不足・勤務成績不良を理由とする場合、単に成績が悪いだけでは不十分です。
指導や教育を繰り返し行ったにもかかわらず改善せず、他の部署への配置転換も試みたが適応できなかったなど、あらゆる手段を尽くした証拠が必要です。
非違行為による解雇が認められやすいケースとしては、以下があります。
- 経歴詐称(重要な事項についての虚偽申告)
- 横領や窃盗などの犯罪行為
- セクハラ・パワハラの繰り返し(注意しても改善しない場合)
- 長期の無断欠勤(2週間以上など)
- 業務命令への重大な違反
重要なのは、問題行動の重大性と反復性です。
一度の軽微なミスでは解雇できませんが、同様の問題を繰り返し、改善の兆しが見られない場合は解雇が認められる可能性が高まります。
解雇予告と解雇予告手当の基礎知識
解雇を実行する際には、解雇予告の手続きを正しく理解しておく必要があります。
労働基準法第20条により、解雇の30日以上前に予告するか、30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払わなければなりません。
解雇予告手当の計算方法は、直近3ヶ月間の賃金総額を、その期間の総日数で割った金額(平均賃金)の30日分です。
例えば、平均賃金が1万円の場合、30万円を支払えば即日解雇が可能になります。
予告解雇と即日解雇のどちらを選ぶべきかは、状況によって判断が分かれます。
予告解雇の場合、30日間の猶予があるため引き継ぎが可能ですが、その間に従業員が情報を持ち出したり、他の社員に悪影響を与えたりするリスクがあります。
実務上は即日解雇を選択するケースが多いです。
解雇予告手当を支払うことで、問題社員を即座に職場から離すことができ、リスクを最小限に抑えられます。
ただし、懲戒解雇の場合でも解雇予告手当が必要な点に注意が必要です。
労働基準監督署の認定を受けた極めて重大な事案でない限り、懲戒解雇でも予告手当の支払いは免除されません。
まとめ
職場のトラブルメーカーを辞めさせる際に理解しておくべきポイントをまとめます。
- トラブルメーカーとは、自覚なく周囲に迷惑をかけ続ける問題社員のことで、放置すると職場環境の悪化や優秀な人材の流出を招く
- 辞めさせるには、問題行動の具体的な記録と証拠の蓄積が不可欠である
- いきなり解雇するのではなく、注意指導から懲戒処分まで段階的なプロセスを踏むことが重要
- 退職勧奨は解雇よりリスクが低いが、強要にならないよう慎重に進める必要がある
- 日本の労働法は労働者を手厚く保護しており、不当解雇と判断されると企業は多額の賠償を命じられる
- 解雇が有効と認められるには、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要
- 就業規則に解雇事由が明記されていることが大前提で、記載のない理由での解雇は無効となる
- 解雇には30日前の予告か解雇予告手当の支払いが必須である
- 問題社員への対応は法的リスクが高いため、専門家である弁護士への相談が推奨される
- 最終的な目標は円満な解決であり、企業と従業員双方にとって最善の結果を目指すべきである
職場のトラブルメーカー問題は、放置すればするほど深刻化します。
早期に適切な対応を開始し、法的手順を踏んで進めることで、職場環境を改善し、他の社員が安心して働ける環境を取り戻すことができます。
必要に応じて専門家の力を借りながら、冷静かつ計画的に対処していきましょう。
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