あなたは「ダブルワークをしたいけど、どちらも週20時間未満なら社会保険に入らなくて済むの?」と疑問に思ったことはありませんか?結論、どちらの職場でも週20時間未満であれば、社会保険の加入義務はありません。この記事を読むことで、ダブルワークにおける社会保険の加入条件や注意点、賢い働き方のコツがわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。

1.ダブルワークで社会保険どちらも20時間未満の場合、加入義務はある?

1.ダブルワークで社会保険どちらも20時間未満の場合、加入義務はある?

結論:どちらも週20時間未満なら社会保険の加入義務はない

ダブルワークで働く場合、両方の職場で週の労働時間が20時間未満であれば、社会保険への加入義務は発生しません。

社会保険の加入条件は各事業所単位で判断されるため、複数の職場の労働時間を合算することはありません。

たとえば、A社で週15時間、B社で週18時間働いている場合、合計すると週33時間になりますが、それぞれの職場で20時間未満であるため、どちらの職場でも社会保険に加入する必要はありません。

ただし、社会保険に加入しない場合は、国民健康保険と国民年金に自分で加入する必要があります。

社会保険の加入条件を改めて確認しよう

社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入する必要があるのは、以下の条件をすべて満たす場合です。

パート・アルバイトの社会保険加入条件:

  • 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 月額賃金が88,000円以上であること(残業代・賞与等は含まない)
  • 2ヶ月を超える雇用の見込みがあること
  • 学生ではないこと(休学中や夜間学生は除く)
  • 勤務先の従業員が51人以上であること(2024年10月から適用拡大)

これらの条件をすべて満たした場合に、社会保険への加入義務が発生します。

逆に言えば、週20時間未満であれば、他の条件に関係なく社会保険に加入する必要はありません。

ダブルワークの労働時間は合算されないのがポイント

ダブルワークで最も重要なポイントは、複数の職場の労働時間や賃金を合算しないということです。

社会保険の加入判定は、各事業所ごとに個別に行われます。

たとえば以下のような働き方の場合を見てみましょう。

具体例:

  • A社:週18時間勤務、月収80,000円
  • B社:週15時間勤務、月収70,000円
  • 合計:週33時間勤務、月収150,000円

この場合、合計では週20時間以上かつ月収88,000円以上になりますが、A社でもB社でも単独では加入条件を満たしていないため、どちらの職場でも社会保険に加入する必要はありません。

どちらの職場でも条件を満たさない場合の具体例

両方の職場で社会保険の加入条件を満たさない働き方の具体例をいくつか紹介します。

パターン1:労働時間重視型

  • A社:週19時間、月収95,000円
  • B社:週18時間、月収90,000円
  • →どちらも週20時間未満のため加入義務なし

パターン2:収入重視型

  • A社:週25時間、月収85,000円
  • B社:週22時間、月収80,000円
  • →どちらも月収88,000円未満のため加入義務なし

パターン3:小規模企業型

  • A社:週25時間、月収95,000円(従業員40人)
  • B社:週22時間、月収90,000円(従業員30人)
  • →どちらも従業員数51人未満のため加入義務なし

このように、労働時間、賃金、従業員数のいずれかが条件を満たさなければ、社会保険への加入義務は発生しません。

2.ダブルワークで社会保険に加入しない場合の注意点

2.ダブルワークで社会保険に加入しない場合の注意点

国民健康保険と国民年金への加入が必要

社会保険に加入しない場合でも、日本では国民皆保険・皆年金の制度があるため、国民健康保険と国民年金に自分で加入する義務があります。

社会保険に加入していない方は、お住まいの市区町村の窓口で国民健康保険と国民年金の加入手続きを行ってください。

国民健康保険と社会保険の違い:

項目 国民健康保険 社会保険(健康保険)
保険料負担 全額自己負担 会社と折半
保険料計算 前年の所得で決定 月収で決定
扶養制度 なし あり
傷病手当金 なし あり
出産手当金 なし あり

国民年金と厚生年金の違い:

国民年金のみに加入している場合、将来受け取れる年金は基礎年金のみとなります。

厚生年金に加入している場合は、基礎年金に加えて厚生年金も受け取れるため、将来の年金受給額が大きく増えます。

扶養に入れる条件とは?年収130万円と106万円の壁を理解する

配偶者や親の扶養に入っている方がダブルワークをする場合、扶養から外れないように注意が必要です。

130万円の壁(被扶養者の条件):

年収が130万円未満(60歳以上または障害者の方は180万円未満)であれば、配偶者や親の扶養に入ることができます。

扶養に入っている場合、健康保険料と年金保険料(第3号被保険者)の自己負担がゼロになります。

106万円の壁(社会保険の加入義務):

年収が106万円以上(月収88,000円以上)で、かつ週20時間以上勤務し、従業員数51人以上の企業で働く場合、社会保険への加入義務が発生します。

ダブルワークの場合、各職場ごとに判定されるため、1つの職場での年収が106万円未満であれば、この壁を気にする必要はありません。

ただし、年収の合計が130万円を超えると扶養から外れるため、総収入の管理が重要になります。

雇用保険も週20時間未満なら加入対象外になる

雇用保険の加入条件は、週の所定労働時間が20時間以上であることです。

ダブルワークでどちらの職場も週20時間未満の場合、雇用保険にも加入できません。

雇用保険に加入していない場合、以下のようなデメリットがあります。

  • 失業した場合に失業給付(基本手当)を受け取れない
  • 育児休業給付金を受け取れない
  • 教育訓練給付金を利用できない
  • 介護休業給付金を受け取れない

ただし、2028年度からは週10時間以上20時間未満の労働者にも雇用保険が適用される予定です。

今後の法改正によって、短時間労働者の保障が拡大される見込みです。

将来の年金受給額が少なくなるリスク

社会保険に加入せず、国民年金のみに加入している場合、将来受け取れる年金額は大幅に少なくなります。

年金受給額の比較(概算):

  • 国民年金のみ:年額約80万円(満額の場合)
  • 国民年金+厚生年金:年額約150万円〜200万円以上

厚生年金に加入している期間が長く、報酬が高いほど、将来の年金受給額は増加します。

短期的には社会保険料の負担を避けられますが、長期的には年金受給額が少なくなるというトレードオフがあります。

ライフプランを考える際には、将来の年金受給額も考慮に入れることが大切です。

傷病手当金や出産手当金が受けられないデメリット

社会保険(健康保険)に加入していない場合、傷病手当金や出産手当金などの給付を受けることができません。

傷病手当金:

病気やケガで働けなくなった場合、最長1年6ヶ月間、標準報酬日額の約3分の2が支給されます。

国民健康保険には傷病手当金の制度がないため、長期間働けなくなった場合の収入保障がありません。

出産手当金:

出産のために仕事を休んだ場合、出産日以前42日から出産日後56日までの間、標準報酬日額の約3分の2が支給されます。

国民健康保険には出産手当金の制度がないため、出産による収入減少に対する保障がありません。

これらの給付は、社会保険に加入している方のみが受けられる大きなメリットです。

3.どちらかの職場で週20時間以上働く場合はどうなる?

3.どちらかの職場で週20時間以上働く場合はどうなる?

片方だけ加入条件を満たす場合は、その職場で加入

ダブルワークで片方の職場のみが社会保険の加入条件を満たしている場合、その職場でのみ社会保険に加入します。

たとえば以下のような場合です。

具体例:

  • A社:週30時間、月収120,000円、従業員数100人 →加入条件を満たす
  • B社:週15時間、月収70,000円、従業員数80人 →加入条件を満たさない

この場合、A社でのみ社会保険に加入し、B社では加入しません。

社会保険料はA社での給与のみから天引きされ、B社での給与からは天引きされません。

また、雇用保険は主たる収入を得ている職場(通常はA社)でのみ加入します。

両方の職場で加入条件を満たす場合は二重加入が必要

ダブルワークで両方の職場が社会保険の加入条件を満たしている場合、両方の職場で社会保険に加入する必要があります。

具体例:

  • A社:週25時間、月収100,000円、従業員数80人 →加入条件を満たす
  • B社:週22時間、月収95,000円、従業員数70人 →加入条件を満たす

この場合、A社とB社の両方で社会保険に加入する義務があります。

二重加入することで、保険料の負担は増えますが、将来受け取る年金額も増加します。

健康保険証は1枚のみ所持することになり、どちらの職場の健康保険証を持つかは自分で選択できます。

二以上勤務届の提出方法と期限

複数の職場で社会保険に加入する場合、「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出する必要があります。

提出期限:

加入条件を満たした日から10日以内に提出する必要があります。

提出先:

主として選択する事業所を管轄する年金事務所または事務センター

提出方法:

  • 郵送
  • 窓口持参
  • 電子申請(e-Gov)

提出者:

基本的には被保険者本人(従業員本人)が提出しますが、実務上は会社が代行することも多いです。

この届出を提出しないと、正当な理由なく届出を行わない場合、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

必ず期限内に手続きを行いましょう。

社会保険料の計算方法と按分のしくみ

両方の職場で社会保険に加入する場合、社会保険料は両方の職場の報酬を合算して計算され、各職場に按分されます。

計算の流れ:

  1. A社とB社の月収を合算する
  2. 合算した月収で標準報酬月額を決定する
  3. 標準報酬月額に基づいて保険料総額を計算する
  4. 保険料総額を各職場の報酬に応じて按分する
  5. 各職場で按分された保険料を給与から天引きする

具体例:

  • A社の月収:100,000円
  • B社の月収:90,000円
  • 合計:190,000円

標準報酬月額190,000円として保険料を計算し、A社とB社の報酬比率(10:9)で按分します。

結果として、1つの職場で働く場合よりも、社会保険料の総額は増加します。

ただし、将来受け取る年金額も増加するため、長期的にはメリットがあります。

4.ダブルワークと社会保険の賢い働き方

4.ダブルワークと社会保険の賢い働き方

手取りを増やすために労働時間を調整する方法

手取り額を最大化したい場合、社会保険に加入しない範囲で働くことが有効です。

社会保険料は、健康保険料と厚生年金保険料を合わせると、給与の約15%(労使折半後の労働者負担分)になります。

月収10万円の場合、約15,000円が社会保険料として天引きされるため、手取りが大きく減少します。

手取りを増やすための調整方法:

  • 各職場での週の労働時間を19時間以下に抑える
  • 各職場での月収を87,999円以下に抑える
  • 従業員数50人以下の企業を選ぶ

ただし、社会保険に加入しないことで、将来の年金や傷病時の保障が手薄になる点には注意が必要です。

短期的な手取りと長期的な保障のバランスを考えて判断しましょう。

従業員数51人未満の企業で働くメリット

2024年10月から、従業員数51人以上の企業にも社会保険の適用が拡大されました。

従業員数50人以下の企業で働く場合、週20時間以上かつ月収88,000円以上でも、社会保険の加入義務が発生しません。

小規模な企業を選ぶことで、社会保険の加入を避けやすくなります。

注意点:

ただし、今後も段階的に適用範囲が拡大される見込みです。

最終的には従業員数の要件が撤廃され、すべての企業が対象となるロードマップが示されています。

将来的には、小規模企業でも社会保険への加入が必要になる可能性があることを理解しておきましょう。

扶養内で働きたい場合の収入管理のコツ

配偶者や親の扶養に入り続けたい場合、年収130万円の壁を意識した収入管理が必要です。

扶養を維持するためのポイント:

  • ダブルワークの合計年収を130万円未満に抑える
  • 月収の目安は約108,333円以下
  • 各職場での年収を記録し、合計を定期的にチェックする
  • ボーナスや残業代も年収に含まれることを忘れない

106万円の壁も意識する:

従業員数51人以上の企業で週20時間以上働く場合、年収106万円(月収88,000円)を超えると社会保険への加入義務が発生します。

ただし、ダブルワークの場合は各職場ごとに判定されるため、1つの職場で106万円を超えなければ問題ありません。

扶養を維持しつつ、できるだけ多く稼ぎたい場合は、各職場での収入を均等に分散させる戦略が有効です。

ダブルワークの税金と確定申告の基本

ダブルワークをしている場合、税金の取り扱いにも注意が必要です。

年末調整:

年末調整ができるのは、主たる勤務先(メインの職場)1ヶ所のみです。

従たる勤務先(サブの職場)では年末調整を受けることができません。

確定申告が必要なケース:

以下の場合、確定申告が必要になります。

  • 従たる勤務先での年収が20万円以上ある場合
  • 主たる勤務先で年末調整を受けていない場合
  • 医療費控除やふるさと納税などの控除を受けたい場合

源泉徴収税額について:

従たる勤務先では、通常よりも高い税率で源泉徴収されることがあります。

確定申告を行うことで、払いすぎた税金が還付される可能性があります。

ダブルワークで働く場合は、確定申告を行うことで正しい税額に調整できるため、忘れずに申告しましょう。

まとめ

ダブルワークで社会保険に関する重要なポイントをまとめます。

  • どちらの職場でも週20時間未満であれば、社会保険の加入義務はない
  • 社会保険の加入判定は各事業所ごとに行われ、複数の職場を合算しない
  • 社会保険に加入しない場合は、国民健康保険と国民年金への加入が必要
  • 扶養を維持したい場合は、年収130万円未満に抑える必要がある
  • 両方の職場で加入条件を満たす場合は、二以上勤務届の提出が必要
  • 社会保険に加入しないことで、将来の年金額や傷病時の保障が少なくなる
  • 手取りを重視するか、将来の保障を重視するか、バランスを考えて判断する
  • 従業員数50人以下の企業を選ぶことで、社会保険加入を避けやすくなる
  • ダブルワークで副収入が20万円以上ある場合は、確定申告が必要
  • 2028年度からは週10時間以上でも雇用保険の適用対象になる予定

ダブルワークは収入を増やす有効な手段ですが、社会保険や税金の仕組みを正しく理解することが大切です。

あなたのライフプランや収入目標に合わせて、最適な働き方を選択してください。

不安な点があれば、勤務先の人事担当者や年金事務所、税務署に相談することをおすすめします。

関連サイト:
日本年金機構

投稿者 torise

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