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「くる」を敬語でどう言えばいいのか、迷ったことはありませんか?

この記事を読むことで、「いらっしゃる」「おいでになる」「参る」の違いと使い分けが明確にわかるようになります。

ビジネスの現場でも自信を持って使えるよう、ぜひ最後まで読んでください。


1.「くる」の敬語とは?3種類の基本をおさえよう

1.「くる」の敬語とは?3種類の基本をおさえよう

尊敬語・謙譲語・丁寧語の違い

日本語の敬語は大きく3種類に分けられます。

「くる」の敬語を正しく使うためには、まずこの3種類の違いを理解することが不可欠です。

  • 尊敬語:相手の動作を高めて表現する言葉。相手が「くる」場合に使う(例:いらっしゃる)
  • 謙譲語:自分の動作をへりくだって表現する言葉。自分が「くる」場合に使う(例:参る)
  • 丁寧語:話し方を丁寧にする言葉。誰の動作かに関わらず使える(例:来ます)

この区別を間違えると、相手に対して失礼な印象を与えてしまうことがあります。

特にビジネスシーンでは、誰が「くる」のかを常に意識することが大切です。


「いらっしゃる」「おいでになる」「参る」はどう違うのか

「くる」の主な敬語表現を整理すると、以下のようになります。

表現 種類 使う場面
いらっしゃる 尊敬語 相手(上司・お客様)がくる場合
おいでになる 尊敬語 相手がくる場合(やや格式が高い)
お越しになる 尊敬語 相手がくる場合(来訪のニュアンス)
参る(まいる) 謙譲語 自分がくる場合
伺う(うかがう) 謙譲語 相手の場所へ自分がくる場合

最も重要なポイントは、尊敬語と謙譲語を逆に使わないことです。

「私がいらっしゃいます」「お客様が参ります」という使い方は誤りですので注意してください。


「くる」の敬語が難しい理由と間違えやすいポイント

「くる」の敬語が難しいと感じる理由のひとつは、「いる」「行く」「くる」の3つの動詞を一語で表現できる言葉が存在するからです。

「いらっしゃる」「おいでになる」はいずれも「いる・行く・くる」の尊敬語として機能するため、文脈によって意味が変わります。

また、よくある間違いとして以下が挙げられます。

  • 「来られる」……可能・受け身の意味とも取れる(二重の意味になりやすい)
  • 「来させていただく」……過剰な謙譲表現で、多用するとくどく聞こえる
  • 「お見えになる」と「いらっしゃる」の混用……どちらも尊敬語だが使う場面が微妙に異なる

「くる」の敬語で最も安全な基本は、尊敬語なら「いらっしゃる」、謙譲語なら「参る」を軸にすることです。


2.相手が「くる」場合の尊敬語:正しい使い方と例文

2.相手が「くる」場合の尊敬語:正しい使い方と例文

「いらっしゃる」の使い方と例文

「いらっしゃる」は最も一般的な尊敬語で、「いる・行く・くる」すべての尊敬表現として使えます。

ビジネスシーンでも日常会話でも幅広く活用できるため、まずこの表現を確実にマスターしましょう。

例文:

  • 「明日、○○様はいらっしゃいますか?」(相手がその場所にいるか確認する)
  • 「部長は今日、東京支社にいらっしゃいます。」(上司の所在を伝える)
  • 「何時頃にいらっしゃる予定でしょうか?」(来訪の予定を確認する)

「いらっしゃいます」「いらっしゃいますか」の形で使うことが多く、会話・メール・電話のいずれにも対応できる万能表現です。


「おいでになる」の使い方と例文

「おいでになる」は「いらっしゃる」と同様に尊敬語ですが、やや格式が高く丁寧な印象を与える表現です。

改まった場面や、目上の方・重要な取引先に対して使うと、より丁寧な印象を与えることができます。

例文:

  • 「社長がおいでになりました。」(社長が到着した際の告知)
  • 「明日はご都合がよろしければ、ぜひおいでいただければ幸いです。」(招待のご案内)
  • 「○○様はすでにおいでになっています。」(来客の状況を伝える)

「いらっしゃる」と「おいでになる」はほぼ同じ意味で使えますが、重要な商談や改まった席では「おいでになる」を選ぶとより印象が良くなります。


「お越しになる」「ご来社」など他の尊敬表現との使い分け

「くる」の尊敬語にはさまざまな表現があります。

場面に応じて使い分けることで、より自然で洗練されたビジネス敬語が身につきます。

表現 ニュアンス・使う場面
お越しになる 「来てもらう」ことへの感謝や敬意を込めた表現。来訪を促す案内文によく使われる
ご来社(いただく) 相手が自分の会社に来ること。社外の方に対して使う
ご来店(いただく) お店・店舗に来てもらう場合に使う
ご来場(いただく) イベントや会場に来てもらう場合に使う
ご訪問いただく 相手が訪ねてくる行為を丁寧に表現する

「ご来社」「ご来店」などは場所によって使い分けるのが原則です。

自社への来訪なら「ご来社」、店舗なら「ご来店」と使い分けることで、細やかな敬意を表すことができます。


3.自分が「くる」場合の謙譲語:参る・伺うの正しい使い方

3.自分が「くる」場合の謙譲語:参る・伺うの正しい使い方

「参る」の使い方と例文

「参る(まいる)」は自分や身内の動作をへりくだって表現する謙譲語です。

「行く」「くる」のどちらの謙譲語としても使えるため、非常に使い勝手のいい表現です。

例文:

  • 「14時に御社へ参ります。」(自分が相手先へ行く・訪問する)
  • 「ただいま参ります。」(すぐに行く・向かうことを伝える)
  • 「担当者がすぐに参りますので、少々お待ちください。」(自社の担当者が向かうことを伝える)

「参る」は相手先への訪問だけでなく、自分の行動全般に使えます。

ただし、自分の身内以外の人(取引先や上司など)の動作には使えないため注意が必要です。


「伺う」との違いと使い分けの基準

「伺う(うかがう)」も謙譲語ですが、「参る」とは少し意味が異なります。

表現 ニュアンス
参る 「行く・くる」の謙譲語。幅広く使える。相手の場所でなくても使用可
伺う 「行く・訪問する」に加え「聞く・尋ねる」の謙譲語。相手の場所へ行く場合により適切

相手の会社・自宅・指定の場所へ訪問する場合は「伺う」を使う方が自然です。

  • 「明日、御社へ伺います。」(相手の場所へ行く場合 → 「伺う」が自然)
  • 「こちらから参ります。」(自分が向かうことを伝える場合 → 「参る」でOK)

どちらも誤りではありませんが、訪問先が明確な場合は「伺う」を選ぶとより丁寧な印象を与えます。


ビジネスメール・電話・対面それぞれの使い方

同じ「くる」の謙譲語でも、場面によって自然な表現が変わります。

ビジネスメールの場合:

「明日14時に御社へ伺う予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。」

文章では「伺う予定でございます」「参る予定でございます」のように丁寧語と組み合わせるのが基本です。

電話対応の場合:

「担当の山田はただいま外出しております。16時頃には戻る予定でございます。」

電話では「参ります」より「戻ります」「伺います」の方が状況に合うことも多いです。

対面(口頭)の場合:

「すぐに参ります。少々お待ちくださいませ。」

対面では「参ります」「ただいま参ります」が最もよく使われます。


NGな間違い敬語:「来られる」「来させていただく」は正しいか

ビジネスの現場でよく聞かれる表現でも、実は使い方に注意が必要なものがあります。

「来られる」について:

「来られる」は文法上は尊敬語として成立しますが、「可能(来ることができる)」「受け身(来られた)」とも読めるため、意味が曖昧になりやすい表現です。

より明確に尊敬の意を示したい場合は「いらっしゃる」「お越しになる」を使う方が無難です。

「来させていただく」について:

「〜させていただく」は相手の許可を得て行動する場合に使う謙譲表現です。

「来させていただきます」は文法的に誤りではありませんが、過剰な謙譲表現として過度に使うとくどい印象になります。

シンプルに「参ります」「伺います」と表現する方が、すっきりとした敬語になります。


4.シーン別「くる」の敬語の使い方:実践的な例文集

4.シーン別「くる」の敬語の使い方:実践的な例文集

取引先・上司が会社に来る場合

社外の取引先や目上の方が自社に来訪する場面では、尊敬語を使って相手の動作を高める表現が必要です。

よく使うフレーズ:

  • 「○○様がいらっしゃいました。」(来客の到着を社内に伝える)
  • 「○○部長は今どちらにいらっしゃいますか?」(上司の所在を確認する)
  • 「明日、弊社までお越しいただけますでしょうか?」(来社をお願いする)
  • 「ご来社、誠にありがとうございます。」(来社してもらったことへのお礼)

ポイント:

社外の方に対しては「ご来社」「お越しいただく」、社内の上司に対しては「いらっしゃる」を使うのが基本です。

社内で上司の動きを案内するときも「参る」ではなく「いらっしゃる」を使うことを忘れないようにしましょう。


自分が訪問する・先方のオフィスに行く場合

自分が相手先を訪問する場面では、謙譲語でへりくだった表現を使います。

アポイント取得のメール例:

「来週の火曜日、午後2時に御社へ伺いたいのですが、ご都合はいかがでしょうか。」

訪問前日の確認メール例:

「明日14時に伺う予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。」

当日遅刻しそうな場合の電話例:

「申し訳ございません。少し遅れて参る見込みです。14時30分頃に伺えそうです。」

ポイントまとめ:

  • 相手先の場所へ行く → 「伺う」 が最適
  • 自分が向かうことを一般的に伝える → 「参る」 でOK
  • メールと電話は丁寧語と組み合わせて使う

社内メールで使うときの注意点

社内メールで「くる」の敬語を使う際は、相手が上司かどうかによって表現を変えることが大切です。

上司・役員に送る場合:

「明日の会議には、田中部長もいらっしゃる予定でしょうか?」

同僚・部下に送る場合:

「明日、田中部長も来られる予定ですか?」または「田中部長も来る予定ですか?」

社内メールでも、役員や他部署の目上の方が話題に出るときは尊敬語を使うのがマナーです。

また、自分の行動を伝える場合は以下のように書くと丁寧です。

「本日15時にそちらの部署へ参ります。よろしくお願いいたします。」

メールでは「〜でございます」「〜いたします」などの丁寧語と組み合わせると、より格式のある文章になります。


電話対応で「くる」を敬語で伝えるフレーズ

電話対応は瞬時の判断が求められるため、よく使うフレーズをあらかじめ覚えておくことが重要です。

来客の取り次ぎ:

「○○様、いらっしゃいますか?」(電話の相手が来社しているか確認する)

担当者が不在の場合:

「ただいま担当者は外出しております。17時頃には戻る予定でございます。」

折り返しの約束:

「担当者が戻り次第、こちらからお電話を差し上げます。」

自分が訪問することを伝える:

「本日14時に伺います。どうぞよろしくお願いいたします。」

電話対応の敬語で最も大切なことは、「相手の動作には尊敬語」「自分の動作には謙譲語」の原則を守ることです。

焦ったときほど間違えやすいので、日頃から意識して練習しておきましょう。


まとめ

  • 「くる」の敬語には尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類があり、誰の動作かによって使い分ける
  • 相手がくる場合の尊敬語は「いらっしゃる」「おいでになる」「お越しになる」が代表的
  • 自分がくる場合の謙譲語は「参る」「伺う」を使う
  • 「いらっしゃる」は「いる・行く・くる」すべての尊敬語として使える万能表現
  • 「伺う」は相手の場所へ訪問する場合に特に適した謙譲語
  • 「来られる」は意味が曖昧になりやすいため、尊敬語としては「いらっしゃる」を優先する
  • 「来させていただく」は文法上誤りではないが、多用するとくどい印象になる
  • 取引先が来社する場合は「ご来社」「お越しいただく」などの表現が便利
  • 社内メールでも上司や役員が話題のときは尊敬語を使うのがマナー
  • 電話対応は「相手の動作→尊敬語、自分の動作→謙譲語」の原則を徹底する

敬語は難しく感じるかもしれませんが、基本のルールを押さえてしまえばあとは応用するだけです。

正しい敬語を使いこなすことで、ビジネスの場での信頼感はぐっと高まります。

ぜひ今日から少しずつ実践してみてください。あなたのビジネス敬語がもっと洗練されることを応援しています!

関連サイト

文化庁「敬語の指針」:https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/keigo_tosin.pdf

投稿者 torise

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